背景
令和5年1月より開始した登記所備付地図データ配信や不動産・まちづくり分野におけるデータ活用の進展を踏まえ、不動産単位又は筆界単位でデータ分析を行うことができる環境が見えつつあることから、令和5年度に、「令和6年度不動産登記ベースレジストリの活用実証」の前段として、不動産単位又は筆界単位のデータを行政活用する際の技術的課題等について、2地域で分析し活用可能性を検討しました。
取組概要
ユースケース①:木造密集地域における延焼危険性の変遷把握(東京都渋谷区)
東京都の不燃化特区制度により、渋谷区本町が不燃化を進める地域として指定され(平成28年)、渋谷区においては、特区内の木造建築物の不燃化を進めるための各種施策が実施されていますが、効率的な不燃化施策の実施のため、過去に講じた施策の効果や、延焼危険性が解消されない重点的な対策が必要な建物の把握が必要でした。
そこで建物の構造や周辺施設の情報を自治体が保有する建物ポリゴンデータで整理し、不動産単位で分析することで、過去に講じた施策の効果の把握や、改善がみられない建物の特定ができました。
ユースケース②:都市計画変更の効果把握(香川県高松市)
香川県では、都市計画区域の再編を行い、線引きを廃止しました(平成16年)。それに伴い、高松市では従前の市街化調整区域(現用途白地地域)において、住宅の建設等が進んだとみられますが、どのエリアにどの程度の住宅が建設されたかの定量的な把握がなされていない状況でした。
そこで緯度経度情報が付された建築概要書の情報をもとに、用途地域ごとに新築された住宅数を集計し、不動産単位で分析することで、線引き廃止前後における用途地域ごとの新築住宅数を把握することができました。
業務の詳細については、以下の「報告書」をご覧ください。