地理空間情報データ連携環境の構築に向けた予備的調査

更新情報

2024/11/22
データ連携に困難を伴うことが多い地理空間情報について、より精度高く・簡単にデータを連携できる環境の構築に10月から取り組んでいます。多様な用途に活用できる汎用性の高い環境の構築を目指しますが、まずは6つの想定ユースケース※について机上実験を行い、求められる機能/非機能要件を洗い出します。政策課題の解決やビジネスシーンで、データ連携に困難を感じたシーンがあればお聞かせください!

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概要

背景

建築・都市分野におけるDXを深化させるためには、複数の地理空間情報を連携させ、データ分析を行うことにより、誰もが意思決定に資する情報(=インテリジェンス)を得られることが不可欠です。

しかしながら、地理空間情報は、位置情報の付与方法やデータ形式が多様であることから、相対的に情報連携が困難な分野であり、さらに地理空間情報の利活用にはGIS等に関する専門的な知見が必要となっています。

こうした状況を踏まえて、産学官すべての主体が地理空間情報を容易に連携し、高度な分析を行うことができる環境を構築するため、環境構築にあたっての課題となる事項を洗い出すための予備的調査(SBテクノロジー株式会社・株式会社ゼンリンによる共同事業体)を行っています。

取組概要

本連携環境は広く建築・都市・不動産分野で活用できる汎用性の高いものを目指しますが、議論を具体化するために、まずは、比較的社会的なニーズが高いと考えられるユースケースを6つ設定し、それぞれを実現するために必要なデータ及び連携キー※の洗い出し等を行っています。

6つのユースケース

ユースケース 内容
低未利用地等の判定・予測の高度化・迅速化 登記情報や水道料金等の自治体保有データ等を連携して低未利用地や所有者不明土地等を判定し、行政事務を削減。さらに、過去の傾向や人口動態予測等から低未利用地等になりやすい不動産を予測・予防。
行政計画の高度化 将来の人口動態を見据えた都市計画や住民の年齢構成を踏まえた効果的な防災計画を策定。精密かつ多様なデータに基づき計画を策定することにより、EBPMを推進。
不動産の価格査定の高度化・迅速化 人力では数日間~数週間を要していた不動産の価格査定を10秒程度で実現。さらに、「勘」による判断を排し、過去のデータに基づき精緻な価格を算定。
エリア/物件の居住性・快適性の分析 ハザード、現在及び将来の都市計画、公共施設や公共交通機関の有無等から住みやすさを指数化。さらに、顧客の家族構成、予算、ライフスタイル等に応じて、適地を全国からピンポイントで提案。
不動産の修繕管理の高度化 逸失しがちな修繕履歴を一括管理。BIM情報と連携して正確な修繕計画を策定。さらに、ハザード情報とこれらの情報を連携することにより、不動産の被災リスクと被害予想額を算出。
開発適地の抽出 筆界、登記、ハザード情報、築年数等を連携して開発適地を抽出。さらに、都市計画、道路幅、人流データ等を連携することで最適な再開発プランを提案。

データ連携環境のイメージ

データ連携環境の構築に向けた動き

  • 令和6年度:予備的検討
  • 令和7年度:アーキテクチャ調査※
  • 令和8年度:詳細設計
  • 令和9年度:環境構築

※アーキテクチャ調査では、「何を実現するか」を整理する予備的検討(令和6年度)を踏まえ、「どう実現するか」を整理する。具体的には、予備的検討で明らかにしたペルソナ、ユースケース、必要な連携キー、連携すべきデータを踏まえ、①データ連携環境の全体像の構築及び②UX・UIの検討等を実施する予定。

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